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私の読書日記

読んだ本や本に関する日記

泥流地帯

 三浦綾子の「泥流地帯」「続・泥流地帯」を読みました。

 

三浦綾子は「塩狩峠」をむか~し読んだ記憶がありますが、あまり内容も覚えていない。かなり評価が高いイメージがありましたが、なぜだが記憶がなく、自分の中でそこまで心に楔を打ち付けるような作品ではなかったな~という印象。一方で、今回読んだ「泥流地帯」は一気に読みました。面白かったと言っていいのか微妙なところですが、登場人物たちのその後をどんどん見たくなる作品でした。

 

時は大正末期。北海道の十勝岳の山裾の部落に住む主人公たちは、貧しくも逞しく暮らしていたが、そこにはお金・恋愛・仕事、そして十勝岳の噴火により様々な困難に立ち向かわなければならないことになる。その中で、真面目な人間が不遇な目に合うことの意味を、生きる意味を問う人生訓にも似た小説です。

 

後半、聖書からの引用があり、その中で勧善懲悪になぜこの世の中はならないのか?と疑問にもつシーンがあるのですが、そもそも世の中勧善懲悪になると思っていること自体が間違いで、物事は事実そうなっているにすぎない。悪い人が悪い目に合うとか合わないとか、良いことをすれば良いことが起きるなんて言う因果関係はない。という至極真っ当なことが書かれていて、思わず驚きました。勝手な人間の望みなだけで、そうなる理由はどこにもないというこの事実に気づいてしまい、頭を殴られたような思いです。

 

ただただ生きる。それこそが人生。良いとか悪いとか気にせずに。なんかちょっと救われました。

 

 

泥流地帯 (新潮文庫)

泥流地帯 (新潮文庫)